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旅は道連れ、世は情け。 アニメや漫画の話題やら諸々。デジモンが好きです。検索は避けてるよ。

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どうしようもない世界の中で

昔もちょい言ってましたが、私はこの世界に溢れたありとあらゆる作品は自分にフィードバックできて初めて作品として完成されると思ってるんですよね。その作品に触れることで自分が何を考えたのか、何を得たのか、これからの人生にどう活かしていけるのか。それはもう善し悪しに関わらずです。悪しから得れるものもまた大きいですからね、悪しを見て自分がどう思うかも大切だと思うので。

だからね、本当にドンブラザーズ観て良かったなって思うんですよね。良いも悪いも全部偽りなくぶつけてくれたからこそ、自分が自覚していない自分をいっぱい知れたなって思って。まったく有り難いことです。暴かれたのはね、どちらかというと自分の悪しの感情です。あんまり自覚したくはなかった部分だから、意識の上にあんまり浮上してこなかったところをね、暴太郎戦隊に暴かれました。

なんというか、思考の癖みたいなところかなぁ。癖になってるところって自分だと気付きにくいからさ。しかも悪癖だからより気付けない部分を突きつけられたよね。主に雉野つよしに。正確に言うと雉野つよし本人じゃなくて、雉野つよしに対して抱いた感情です。

最初は同族嫌悪から入ってそのモヤモヤを解体していって気付かされたといいますか。無意識で因果応報を望んでいる自分にびっくりしたというか。見知らぬ他者に対して、自分が何かされたわけでもないのに痛い目を見ろと願っている自分の愚かさというかね。「あ!なるほど!?」ってなった。

もっというと、その愚かさに対して「そういう自分じゃ駄目だな」って思ったんじゃなくて「そういう自分も愛していいかもな」って思えたんですよね。みほちゃん獣人が人間は愚かで哀しいから愛おしいって言ってくれたから、ある意味愚かさこそが人間なんだなって思えたといいますか。許せる自分というか、まぁ人間ってそんなもんだよなって気軽に捉えられるようになってきたなって。

人間が嫌いだったんだけど、その嫌いっていう感情も多分人間に対しての期待値が高かったからなんだと思ってて。他の生物よりちょっと賢いもんだから、私も人間として思い上がってたんです。人間は本来はもっと崇高なはずだと。でもね、違ったのかも。人間って他の生物よりも弱いからこそ、こんなにちょこざい生き物になっちゃったのかもなって。

道具を使うのも集団で生きるのも、個体として弱い生物だからこそ集団で生き残るための手段だもんなーって。牙も爪も失って、弱さを得た代わりに集団を手に入れたのかもですね。人間を捉えるときに、まず大前提として弱さを考えた方がやりやすいかもなって思ったんですよね。多分どこまで精神が成熟しようが身体が強くなろうが、前提条件として人間って弱いのが当たり前なのかなって。

「弱さ」とどこまで真摯に向き合えるかが人生なのかもなぁって、ドンブラザーズ観てて思いました。

ドンブラとデジモン02が似てる気がするのって、人間を描こうとしてるとこかも知れない。
まぁ正直02の方はあんまりうまくいってはないんだけど、逆にそのうまくいってなさが人間らしくもあるんですよね。本宮大輔くんはドンブラの世界でやっていけると思う。彼はどっちかというと脳人側だとは思うけど。欲望がないという点において。あんなにヒカリちゃんに恋しておきながら、ラストバトルでその夢には捉えられなかった男だから。

私は作品に漂う「どうしようもなさ」が好きなのかもしれないです。人生ってさ、実際どうしようもないこと一杯あるじゃん。みんなが幸福に生きれる世界を願っても、なかなかそうはいかないじゃない。だからこそ物語の中だけでも夢を見たいという気持ちもあるけれど、でも結局それって都合のいい夢でしかないわけだし。目を覚ませばそこに変わらず現実は横たわっている訳で。

だからこそ「どうしようもなさ」の中でどう生きていくか、みたいな物語が好きなんだと思う。どうしようもない現実を生きていくヒントになるから。どうしようもない中を、それでも生きてる限りは生きていかなきゃいけないからね。少しでも自分の呼吸が楽になるようにはしていきたいなぁと。

猿原さんはどうしようもなさの中でも侘び寂びの心でずっと漂っていた訳だけど、ラストで雲にはなれないって言ってたから、だからVSの猿原さんマジでどうなるか楽しみなんだよね。どうしようもなさの中で地に足着けるんかなぁ。社会性を手に入れる猿原真一……??

まぁ結局は考え方の差になってくるわけだけどさ。考え方が変われば自ずと行動も変わってくるから。世界はなかなかにどうしようもないし相変わらず人間は好きではないんだけど、まぁそれでもぼちぼちやっていけたらなぁって思います。
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